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いよいよ上級編です。 ここでは、中級編でも効果がでなかったという方へ向けての対策となります。
より強力な薬で発毛をめざす
今までご紹介した経口薬は、主にフィナステリドを中心とした、5αリダクターゼを阻害するためのものでしたが、今回紹介するロニテン(ミノキシジルタブレット)は血管の拡張剤であり、本来の目的は高血圧の治療薬です。
ミノキシジルは毛細血管を拡張させ血圧を下げるので毛髪付近の血管も拡張され、頭皮全体の血行をよくする効果があります。
また、男性ホルモンの交換酵素阻害作用や成分が毛母細胞に直に働きかけ、細胞を活性化させる効果もあることが発見されています。
前に紹介した外用薬のミノキシジルの経口薬バージョンということになります。
ただ、内服用のミノキシジルはあくまでも血圧を下げるための降圧剤であり、現時点では、発毛・育毛を目的とした薬剤としては認可されておらず、増毛するのはあくまでも副作用であるという見方です。
しかし、その副作用による非常に強力な発毛効果が、『最強の発毛薬』とまで言われ、個人輸入で絶大な人気を誇ります。
そこで気になるのが、増毛(多毛症)以外の副作用ですが、動悸やむくみなどの症状があらわれることがあります。
もちろん、ミノキシジルに限った話ではありませんが、医師を介さず個人の判断により輸入することになり、完全自己責任となりますので、副作用には注意しながら服用する必要があります。
ロニテン(Loniten)10mg
ミノキシジルタブレット5mg
ロテニン・ミノキシジルタブレットともに5mgと10mgがあります。まずは5mgからはじめて、副作用の様子をみながら用量を加減するとよいでしょう。
副作用については過去記事:〈やっぱり気になる!発毛薬副作用一覧〉
より専門的な治療を受ける
自毛植毛
植毛という言葉を聞いたことがある方も多いと思います。
ただ、植毛といっても、大きく分けて人工毛植毛と自毛植毛の2種類が存在します。
注意しなくてはならないのが、人口の髪の毛を頭皮に移植し、拒絶反応が起こる可能性のある人口毛植毛と、自分の髪の毛を薄くなった頭皮に移植する自毛植毛とを一緒にしてはならないということです。
本皮膚科学会ガイドラインでも人工毛植毛はDランク(用いてはならない)に対し、自毛植毛はBランク(勧められる)となっています。
髪を増やすという点においては、気になる部分にピンポイントで移植することができることから、この自毛植毛が一番確実な方法であるといえます。
手法としては後頭部や側頭部の皮膚ごと移植する方法や、毛包ひとつずつを採取する方法などがあります。
皮膚ごと移植する場合は手術跡が残る可能性が高いですが、通常の髪型であれば、目立つことはないでしょう。
自毛植毛は移植した場所に定着すると、完全に自分の髪の毛となり、基本的には伸び続けます。 更に、移植する髪の毛というのは、通常では後頭部などのDHTの影響を受けづらい部分の髪の毛となりますので、『抜けにくい』という特徴を持っています。
移植した髪の毛を太く育てたり、予後の抜け毛予防のためには、フィナステリドの服用や、ミノキシジルの塗布で、より効果的なものになるでしょう。
デメリットとしては、移植できる髪の量に制限があることや、多少の痛みを伴うこと、手法により手術跡が残る可能性があること、イニシャルコストが高額なことがあげられます。
具体的な費用としては、保険がきかないため、通常1株(2~3本程度)につき、約500~1000円となりますので、総額で、100~200万円程度は覚悟しておいた方が良いでしょう。
ただ、一度移植が成功してしまえば、その後のランニングコストはあまりかからないため、長期的に見た場合に他の治療と比べ費用が飛び抜けている訳ではありません。
詳しくは過去記事:〈クリニック別!植毛技術徹底比較!〉
また、医療ローンを受けることができれば、月々1万円程度からと無理のない支払いも可能です。
育毛メソセラピー/HARG療法
あまり聞き慣れない言葉かもしれませんね。
これらは植毛までする勇気はないという方へオススメの最新医療となります。
一体どのような治療かというと、注射器など(レーザーや超音波での治療もあります)の機器を用いて、頭皮内へ直接ミノキシジルやフィナステリドといった薬剤や、ビタミン類などの栄養素を注入するという手法です。
頭皮に直接注入することにより、内服薬では必要な成分が頭部まで届かなかった方でも、非常に高い確率で効果が実感できることになります。
また、育毛メソセラピーとHARG療法の違いは、HARGパウダーと呼ばれるものの有無となります。
HARGパウダーとは細胞の成長因子が含まれたパウダーであり、育毛メソセラピーで使用される薬剤などに、それらの成分をブレンドしたものを呼びます。
成長因子が含まれている分、HARG療法の方が発毛に期待が持てますが、育毛メソセラピーでも独自に成長因子をブレンドしているクリニックはあります。
これらの治療に注射器を用いる場合には、当然多少の痛みを伴いますが、レーザーや超音波を用いた手法では、ほぼ痛みを感じることなく治療が可能です。
また、デメリットとしては、定期的な通院が必要ということと、コストが高額であるということです。 これらの治療では通院は1クールを半年間とした場合、期間内は最低でも月に1回以上通院する必要があるところがほとんどです。
そして、クリニックによって異なりますが、その後も1~数ヶ月に1度程度は通院しながら治療の継続や、フィナステリドやミノキシジルの処方をしてもらうことになります。
費用に関しても1クール(半年間)で15万円程度のところから100万円を超えるところまであり、治療方法や使用薬剤などの成分、使用量によって大きく開きがあります。
最新医療ということで高額ではありますが、発毛にはかなり期待が持てますので、資金に余裕のある方は試してみる価値があるでしょう。